UI/UXデザイナーとは?Webデザイナーとの違い
最近、UI/UXデザイナーになりたがる人が多いですが、いまいちその具体的な業務内容が把握されていないように思います。また、UI/UXデザイナーと言っても、企業によって実際の業務内容が全く異なってしまうので要注意です。
UIとUXは密接に関連していますが、それぞれ別の分野であり業務でもあります。実案件では、UI/UXの両方を担当する人もいますし、UIだけ、UXだけを担当するというケースもあります。
そのため、「UXデザイナー」「UIデザイナー」「UI/UXデザイナー」と分解して捉えた方がいいです。この3つの職種をそれぞれ解説します。
UXデザイナーとは?
UXデザイナーは、基本的にはサイトの設計のみを行います。
UXデザイナーは、ユーザーが使いやすく、つまりユーザーフレンドリーで、さらに売上などの「成果」を生み出すサイトの設計を本職とします。UXはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略です。サービスの利用者であり主役であるユーザーの体験を最高に充実させることがミッションです。
UXデザインの具体的な手法
現在は、Webサイトが大量に乱立し競合が多すぎる時代なので、とりあえずサイトを作っても売上などの「成果」につながりづらくなりました。そのため、下記のように、ユーザーのよりよいサイト体験(UX)を実現するサイト設計の手法が発達してきました。
- エスノグラフィー調査(実際のサービス使用シーンの観察調査)
- ペルソナの設定
- カスタマージャーニーマップ(ユーザーがサービスを知り体験するまでの流れ)の作成
- プロトタイピング作成
- ユーザーインタビュー
UXデザイナーはWebディレクターの進化版
実は、このような調査や業務はWebディレクターが担当していました。つまりUXデザイナーはWebディレクターという職種の延長線上にあります。今もそうですが、クライアントにヒアリングをして、ワイヤーフレーム(サイトの設計書)を描くのは、元々はWebディレクターの仕事です。
ただ、上で書いたとおりWebサイトが乱立する時代なので、それだけでは成果を出せなくなったために、Webディレクターは、様々な手法を駆使してサイトの成果を出すUXデザイナーへと変化し始めているのが現在進行系で起きていることです。
なので、UXデザイナーはWebディレクターの職に限りなく近いです。現場によっては、UXデザイナーとは名ばかりで実際はWebディレクターと同じことをしている場合があるので要注意です。UXデザイナーのほうが響きがいいですからね笑
ただ、Webディレクターが担ってきたプロジェクトの進行管理などは、PM(プロジェクトマネージャー)が担うことが普通で、UXデザイナーはサイト設計者としての役割がメインになります。
UIデザイナーとは?
UIデザイナーは、UXデザイナーのサイト設計を元に、最適な配色やボタンの形、フォントサイズ、写真の選定などを行い、具体的にサイトやアプリのUIデザインを作り込みます。
UIデザイン誕生の理由
UIはUser Interface(ユーザーインターフェース)の略です。この単語が登場したのは、スマートフォンのアプリの誕生によるものが大きいです。小さいスマートフォンの画面を操作するには、シンプルで使いやすいUIが必要です。可能なかぎり無駄を省いたユーザーフレンドリーなレイアウト設計が求められます。そのため「UIデザイン」と言うと、以前はアプリのデザインを指す場合が多かったです。
ただ、今やWebサイトはスマホで閲覧するのが普通になりました。アプリとまったく同様に、WebサイトについてもUI/UXの視点が強く求められています。いかに小さな画面でWebサイトを魅力的に見せるかを、Webデザイナーも考えなくてはなりません。
Vue.jsやReactなどを用いた、アプリのような挙動をするSPA(シングルページアプリケーション)のWebサイトも増えています。アプリとWebサイトの境界線が以前よりも曖昧になっているのです。
UIデザイナーにはUXの視点も必要
UIデザイナーはWebデザイナーがその役割を今までは担ってきました。
ただ以前のようにWebディレクターからワイヤーフレームをもらってそれをFigmaなどでビジュアルに起こすのみにとどまらずで、UXデザイナー同様に、ユーザーインタビューに参加したり、制作会社であればクライアントにヒアリングすることも企業によってはありえます。UIはUXと密接に関わっているためです。
では、UI/UXデザイナーとは?
UI/UXデザイナーという職種が企業に存在する場合、UXつまりサイトの設計と、UIデザインの両方をやるのが一般的です。ただ、現場によってその定義は本当に様々です。
転職時は業務内容をしっかり確認する
UXとUIの両方をやる人材を指す場合もあるし、UXのみの場合もあります。
また、「UI/UXデザイナー募集!」とか言っておいて、Webディレクターをやらせる現場もあるので要注意です。
単純に人が少ないせいで、WebディレクターとWebデザイナーを兼ねている人をそう呼ぶケースもあるので、転職の際には具体的な業務内容を面接官やエージェントに確認した方がいいです。
Web制作会社と事業会社で、UI/UXデザイナーの業務は異なる
Web制作会社か事業会社かで、その役割も少し変わってきます。
制作会社におけるUI/UXデザイナーは、クライアントの新規のサイト設計とUIデザインを行うことが一般的です。
一方で、事業会社のUI/UXデザイナーは自社サイトの改善が一般的で、既存のサイトの成果を向上させることがミッションです。そのため、A/Bテストを実施したり、アクセス解析やヒートマップの結果を元に、ボタンの配色や人物写真を変えてみたりと、PDCAを回し改善をし続ける業務でもあります。この場合は、Webマーケティングの知見が大いに役立つし必要でもあります。このように「改善」に特化した業務を行う職種をグロースハッカーとも言ったりします。グロース(成長)をハックするためには、UXとWebマーケティングの知識が求められます。
UI/UXデザイナーとWebデザイナーの違いは?
UI/UXデザイナーに興味がある人は、UIなのか、UXなのか、あるいはその両方をやりたいのか?どれをやりたいかを考える必要があります。
おそらく、このサイトに来てくれている方は、UIデザインをメインにやりたいのかな?と思います。
Webデザインは装飾美、UIデザインは機能美
じゃあ、WebデザインとUIデザインの違いって何ですか??と疑問が出てくると思います。
その違いについては、下記のnoteが素晴らしく的を得た解説をしてくれています。
WEBデザイナーとUIデザイナーは違う職業なの?(求められるスキルや傾向など)
一言で言えば、Webデザイナーはビジュアルデザインの「装飾美」を担当し、UIデザイナーは「機能美」を実現する仕事です。
Webデザイナーはサイトのデザインに関することはすべて行いますが、主にFigmaを用いて、やや凝ったビジュアルの制作も行います。
一方で、UIデザイナーはサイトの設計を重視し、ユーザーフレンドリーで使いやすいサイトデザインを行うのが一般的です。
UIデザインはWebデザインに含まれる
個人的には、UIデザインはWebデザインの1分野でしかないと思っています。構造を深く考えずにWebサイトのデザインがなされてきた現状があって、それに対してユーザーの体験をもっと考慮した上で、最適なWebデザインを考えようというのがUIデザインの本質です。
なので、あまり境界線を意識しないほうがいいと思っています。今はWebデザイナーも当然UIを重視しなければならない時代です。
いきなりUI/UXデザイナーにならないで!
FigmaやXDなどのUI制作ツールが普及し、UIデザインがかなり身近になりました。その影響でWeb業界が未経験でUI/UXデザイナーになりたがる人が一気に増えた印象があります。
UIデザインには、Webデザインのスキルが必要
でも、これは偏見かもしれませんが、おそらくUI/UXデザイナーになりたい人の中で、
「ビジュアルデザインは苦手だけど、UIデザインなら簡単そうだから私でもなれるかも!ウフフ!えへへ!」
と思っている方も多いのではないでしょうか?
その考えはちょっと甘いです。
UIのデザインにしても、余白や配色、タイポグラフィーやジャンプ率など、普通のWebデザインのスキルがかなり求められます。
また、サイトのメインビジュアル(ヒーロー画像と言います)をデザインしようとなった時に、「自分はUIしか作れません。ビジュアルデザインは無理です」ではちょっと困ります。
まずは、Webデザイナーになろう
なので、いきなりUI/UXデザイナーになるという選択は、僕はまったくオススメしません。
まずはWebデザイナーとして「装飾美」を身に着けてから「機能美」のUI/UXの世界に行ってほしいのです。
Webデザイナーになるなら、どちらにしろUI/UXの視点が問われる時代です。まずは、UIというジャンルを内包する「Webデザイナー」になるのが効率的かつ一般的なキャリアアップだと思っています。まずはWebデザイナーを目指しましょう。
このサイトでは、本当にWebデザインのスキルを磨きたいなら、未経験の方はまずはWeb制作会社か教育体制のしっかりしている事業会社に正社員で入社することを強くオススメしています。
やはり派遣でもなく、アルバイトでもなく、長く在籍する可能性のある正社員にこそ成長できるお仕事を振ってくれるのです。派遣やアルバイトは、リンク張り替えやテキスト修正など成長しづらい作業をやらされがちです……。
未経験OKで正社員のWebデザイナー・フロントエンドエンジニア案件を多く保有しているのが、IT系に強い『ワークポート』です。ワークポートでも、さすがに未経験の方にWeb制作会社を紹介するのは難しいですが、事業会社のWebデザイナー・フロントエンドエンジニアを紹介してもらえる可能性があります。また、Webデザイナーにこだわらなければ、WebディレクターやECサイト担当者などの求人も多数保有しているため選択肢の幅が広がります。一度面談を受けておきましょう。
また、Web/IT系特化の転職サイト『Green』にも登録しておきましょう。Web系転職の定番サイトです。
「デザインスキルを一気に上げる方法は「レビュー」です。つまりデザインに対するダメ出しを何度もしてもらって直すことを繰り返すことで、デザインスキルは急激にレベルアップします!
これを一番実現しやすいのが会社です。会社なら現場で上司や先輩にサイトやバナーのデザインのレビューをしてもらえるからです。じゃあ就職しておらず未経験のうちはどうすればいいかというと、「レビュー付きのデザインスクールの活用」です。普通のスクールはPhotoshopの使い方やコーディングの基礎を学ぶだけで「デザインスキル」についてはほぼ教えてくれません。レビュー付きのデザインスクールは運営側にも高いデザインスキルが求められるため非常に少なく希少性が高く『fullme』が現在は最高峰だと僕は思っています。「けっきょく、よはく」「ほんとに、フォント」など有名デザイン書籍を手がけるingectar-eの運営です。
僕が駆け出しの頃に『fullme』があれば絶対に受講していました...。デザインスキルを高めたい人はぜひ受講しましょう。
「ポートフォリオを作ってみたけど不安...」「周りにレビューをしてくれる人がいない...」
そんなお悩みを解決するために、ポートフォリオのチェックリストを作りました!27,000文字以上の大ボリュームです笑。noteで販売中です。激安のワンコイン500円です。このチェックリストで改善点を見つけて、少しでもポートフォリオの質を上げて、自分が望む就職に繋げましょう!
ご質問や感想など、お気軽にどうぞ!